合う靴について考えてみて、ハイヒールレッスンを受けてみて、いろいろ考えて、やはり普通の靴で歩くということと、ハイヒールで歩くということは違いそうだぞと思ったので考えてみました。
まずは靴関係の人に聞くと必ず言われるのが「ノーヒールの靴がいいわけではない、少しはヒールが合ったほうがいい」というお言葉。
この少しはヒールってどのくらいなんでしょうね?という疑問。
さらには、私の場合にはハイアーチ。ますますヒールがある靴のほうが楽なはずですよ。というアドバイス。で、そのヒールってどのくらいなんでしょう?
ここでは、とりあえず友達の少なくとも8センチはないとヒールの靴を履いた気がしないという発言をふまえ、ハイヒール=7〜8センチ以上のヒールとして、ミドルヒールは=6〜4センチ、ローヒールは=3センチ以下、ノーヒール=ヒール無しと仮にさせていただきます。
※ここではウェッジソールやストームでヒールの斜度を緩やかにしたものがありますが、今回は実質ヒール高でお考えください。(例えば3センチ厚のウェッジ ヒール部分は8センチの場合、5センチヒール)
※足長によって同じヒールでも坂の角度が違ってくるので一概には言えないのですが、ここでは仮に上記のように決めさせていただきました。
[10回]
よく聞くのはハイヒールは、足に悪いという話。
でもでも、サイズさえ合えば、そんなことはない という話も聞いたりする訳です。
で、考えてみる。
そもそもハイヒールは何の為の靴か?
ファッションのための靴だったり、あとはパーティシューズ。という意味合いが強いです。
基本的には室内、そして短時間。朝7時から夜の22時まで履きっぱなしという想定はされていないかと思います。
ハイヒールは坂になっている訳ですから、その構造上前滑りしやすいことは一目瞭然。「前滑り」が様々な悪さをして足に悪影響を及ぼすことを考えると ハイヒール=足に悪いように思えます。その上でサイズさえ合えば「前滑り」が止められることを考えると確かに ハイヒールだからといって足に悪いとも言い切れない。これも正しい気がします。
しかし、足のサイズは刻々と変る訳で、そのサイズ変化にも対応させて前滑りしないって相当シビアじゃない?と思う。
で、最初に戻ると「ハイヒールはパーティシューズ」と。やっぱりある程度短い時間に区切って履く靴だと考えるとなるほど、と腑に落ちます。その時間の間だけ前滑りしないサイズ感。これが重要ってことになります。
ですから、ハイヒールは基本的に時間が区切られて履く靴。(ガシガシ歩く靴ではない)足の状態により、靴のフィットにより耐えられる時間が決まってくるのかなと考えてみました。
実際にヒールの高さがハイヒールでも本当のパーティシューズのような華奢なデザインから、ストラップパンプス、ブーツ、紐靴等の耐えられる時間を延長するデザインまで様々です。
どのようなデザインであっても、基本的に坂で、前滑りしやすいことには代わりがありません。
友達にこの話をしたところ、海外の映画でもパーティーシーンの後女性が靴を脱いで手にぶら下げて歩いているのを良く見かけるというのです。このような靴は必要なシーンに留めその後履き替えるというのが海外では常識なのかもしれません。無理して一日同じ靴を履くのではなく、靴を履き替える。ここは見習って行きたいなと思いました。
わかりづらいのは、現在のファッション業界にはパーティーシューズではないハイヒール靴が大量にあるということです。例えばブーツ×ハイヒール もともとワークシューズであったブーツのデザインに高いヒールをつけていたりします。このような靴の場合には、ふくらはぎや足首できちんと止まっていると「前滑り」は止められます。幅が全く合わないと「横」にぐらぐら揺れますので具合が悪いと思いますが、サイズが合っていたらパーティーシューズよりはずっと長時間に耐えうる靴になるでしょう。自分の足と靴のデザインの兼ね合いで一日履けるハイヒールも存在しうると考えられます。
この条件で考えると、ハイヒールパンプスが一日中履ける足の方もいらっしゃると可能性がゼロではないという仮説は成り立ちます。実際履いている方もいらっしゃいます。かっこうよく履きこなせる方については相当サイズの見極めが上手な方、お時間をかけていらっしゃる方、そしてハイヒールでの立ち居振る舞いが身に付いている方と思います。以前ご紹介した奇跡のハイヒールウォーキングの著者は相当な時間をかけて一足を探していらっしゃるようです。
ここで、また立ち止まってみます。
合った靴さえあればヒールの高い靴は履きこなせるのか?
答えはNOです。
足のトラブルや形状によりヒール高の高いものが危ないという方もいらっしゃるようです。そういう場合には、ヒールの高いものは難しいそういうこと?
トラブルのことはプロではないので私にはわかりません。
それでもやっぱり答えはNOだと思います。
足と靴のデザインの兼ね合いと同じくらい重要な問題は、ハイヒールを履くということのみならず、ハイヒールで美しく振る舞うということではないでしょうか?
どんなデザインであってもハイヒールの靴を履いて、ヨロヨロと歩いている。膝が延びていない。今にも転びそう。それはとても残念なこと、それ以上に危険なことに思えます。
そういう女性を良く見かけます。
コレはサイズが合っていないから、だけの問題ではありません。
体の使い方の問題です。
ハイヒールでエレガントに歩く為には、まず体幹の筋肉で体をまっすぐに支え、体重のすべてを足だけで支えていてはいけません。
正しい重心が取れないと、前傾姿勢になりやすく前滑りを加速してしまします。常にバランスをとる意識が必要です。
もちろん、合っている靴が必要ですが、今までハイヒールを履くことをしたことがない方が、いきなりぴったりの靴を履いたとしても長い時間過ごせないのは、体の使い方が悪いからかもしれないのです。
ぴったりの靴でも、力一杯前につんのめっていたらその力で前に足を押し込んで行く(前滑り)していきます。合った靴にくわえ、正しい重心と正しい歩き方、それに必要な筋力がすべてそろっていることで足に痛みなくエレガントに歩けるのだと思います。
きちんとハイヒールを履くだけの体が整っていないのに、ハイヒールを履いて体を痛めてしまっては元も子もありません。自分がハイヒールを履く準備ができていないなら、やはり少しずつからはじめていくのがよいのだと考えています。
合った靴だけでなく履く女性の心意気までも求められるのがハイヒール。そういう意味でハイヒールは女性のあこがれを体現するものなのだと思います。
ここの域を目指してがんばっていきたいと思ってます。
参考になる書籍をここで紹介してます。
http://narrow2013.blog.shinobi.jp/about_foot/29PR