私は、空中Aワイズ以下の足で、世の中平均的にはかなり細い。
しかし、実際に同じくらい細い方や、もっともっと細い足でお困りの方も何人も存じ上げています。(しかも靴の悩みや細足というキーワードでつながったお友達ではなく、前からのお友達です。)
そして、なぜか、わからないのですが、世の中には幅がCとかBとかで困っている人がいるはずなのにあまりそのことはあまり聞かないような気がするんです。自分も含め、たいていCとかBで困っているという方も空中測定ではA幅以下の方が多いように思います。それはなぜなんだろうと思うのです。
自分のことしかわからないのですが、靴のオーダーやいろいろ調べてみた結果、そして自分の足を振りかえっての超細幅足(空中A以下)の特徴について考えてみました。
※そして、自分がオーダー靴を発注してみて、友達に作っている現状から考えて「あえて」考える細幅足とオーダー靴の関係について書いておきたいと思います。
(補足しました 5/14)
[28回]
自分の足のこともふまえて、(大人の女性の)超細幅(空中A以下)の方の共通の特徴として私が考えるのは、「合った靴を履いたことがない」「筋肉が少ない」「痛みが出やすい」この三つです。
その内容を解説してみたいと思います。
●気がつくまで合った靴を履いたことがないこれは、すべての細幅さんに当てはまっているのと思われます。普通に靴売り場で靴をみている以上、幅Aの靴なんて売っていない訳です。ぴったりとした靴を履いたことがあるはずがないですよね。
とにかく、合った靴を履いたことがないので、どのような靴が自分の足に合うのかということや、ぴったりとした靴を履いたとしても、それがピッタリかどうか理解できないという問題があります。
また、いつも大きすぎる靴を履いていたことにより自分の足のむくみのタイミングやむくみ方等に鈍感なケースもあると思います。
気がつくまで、と書きましたが気がついた後でも合った靴を履いたことがある方は少ないと思います。
●筋肉が少ないので足が柔らかい=靴が合いにくいたいていの超細幅の方は単に細いだけでなく足に筋肉が少ないと考えられないでしょうか?筋肉が発達して張った腕と、それがない腕、どちらが固くしっかりしているかは考えるまでもありません。足も同じこと。
私はこんにゃく系を名乗っていますが、こんにゃく足の定義が、開帳足を前提としたものだとするとそれには当てはまりません。(ただ、同じのように柔らかい足です)
靴の中でのお肉(沢山ないくせに)の流動性が大きく、ここが合ったと思ったら、別のところに移動したお肉が邪魔をしてこっちが痛いという風になりやすいのです。
これは、合ったことがない靴を履き続けると筋肉(足だけでなく歩く為の脚、腹筋、背筋を含む)を育てにくいため、十分に筋肉が鍛えられていないことが一因ではないかと考えています。
筋肉が少なければ、靴の中で足がしっかりしておくことが難しいので、ぐらぐら動いたり、指が動かなかったり、踏ん張ったりも難しいです。
●痛みが出やすい超細足の方は筋肉だけではなく、足に脂肪も少ないと思います。
脂肪はクッションになります。筋肉もない上に、脂肪のクッションがなければ、骨や神経にいきなり触るということになり足がしっかりしている人に比べて痛みが強く出やすい傾向があるようです。
この三つの特徴は、合っているかどうか判断ができない上に、靴が合いづらい足である、ちょっとでもあわないと痛くなりやすいという非常に靴を探しにくい足ということを表しています。
この上に、それぞれの方ごとの特徴が追加されていきます。(ボール位置、踵や、アーチ、開帳足、外反母趾等)そうすると合った靴を探し出すのがどれだけ困難なことか、ため息が出てきます。
ここがD〜B幅の方とは全く違う点なのではないかと仮定します。超細幅(空中A以下)の場合、基本的には筋肉も脂肪も両方ともないのに比較して、D〜B幅の方はその両方またはいずれかがそれなりにあると考えられないでしょうか?
筋肉がしっかりある方は、足がしっかりしているので靴の中での足の変化が最小限(筋肉の動きはもちろんあるが、靴の形に合わせてふにゃふにゃと足の形が変わったりしない)となり、合わせやすいです。脂肪があればある程度クッションが効きます。
超細幅の方よりは痛みが出にくいのかもしれません。
私が予想するに・・・ですが、もしも自称D〜B幅の方で、紐靴でも足が痛くならない細幅の靴が見つからないとおっしゃっているのであれば、空中でA幅以下である可能性があるかもしれないと考えています。(自分自身や、自分のお友達のお話などの経験をふまえて、です。)
このような足を持っている人はどうすればいいのか。
まずは、自分が超細幅に該当しているかどうかを理解することから始まると思います。
そして、ご自身の足の特徴を理解しなくてはなりません。
それから、これらの問題を解決して行くという順番になるのでしょう。
どうやって?
これがまた難しいのです。自分も答えを見つけている訳ではなく試行錯誤の段階です。一つずつ解決していくことが理想なのですが、そうはいかないのが現実です。
それでも、ご自身が細幅と気がついて、トラブルについても理解して、少しでも靴環境や歩き方をそれに合わせて変えて行った方は、だんだんに足が変化していっている(トラブル改善)という話を聞きます。
その内容は、「体重の分散バランスの改善(足裏の一部に集中していたものが、改善された)」「開帳足の改善(ただし、さらに足は細くなっている)」「内反気味の小指が治った」などです。
1年くらいの間でこのようなことが起きています。
そして、その方達は「ぴったりの靴を見つけた!」と、靴の悩みがなくなった方ではないのです。
細幅を自覚して、以前よりは細幅の靴を履こうとか、足指を使って歩こうとか、体重の乗り方を改善しようとか そういう日常的な努力がトラブルを改善していくのだろうと想像します。
まずは
ピッタリの靴が見つからないことに悲観しないことが大事なのだと思っています。
そして、最後に超細幅足とオーダー靴について書いておこうと思います。
結論から言えば、超細幅足と判明した瞬間にオーダーに飛びつくのは止めておいたほうが無難です。
○合った靴を履いたことがない。=仮靴を履いても善し悪しが判断できない。ということです。
合わないからオーダーするんじゃないか!とおっしゃりたくなる気持ちはよくわかりますが、ある一部が合わない人と、どこもかしこも合っていない靴しか履いたことがない人とは、全く違います。
どこもかしこも合ってない靴しか履いたことがない人とコミュニケーションし、状況を理解し、トラブルを改善できるような職人さんやお店がないとはいえませんが、難しいと思います。
○筋肉がない=足が柔らかい=ドンドン変るということです。
友達と話していて思ったのですが、基本的にオーダー靴の世界の方の知識ベースは紳士靴のビスポークが多いようです。男性の足は、筋肉がしっかりして固いものであり、年月に合わせて足が変化するといっても年単位の気がします。それに引き換え、ふにゃふにゃしている足では、靴に足を入れた瞬間に足のほうが形を変える訳です。
そのこんにゃくのようにやわらかな足を追いかけて木型の修正をしていては、キリがないのです。
そのような足に対する経験値はまだ低いものですから、オーダーすれば解決するというものではないと思います。
また、踵が小さな木型、幅が小さな木型を作れる職人さんは限られています。その見極めを行なう為にもできるだけ、自分に合った靴を探しておくことが重要です。
やはり、ある程度合った靴を中敷で調整して対応するというのが現実的な対応です。
足のトラブルが改善して、筋力が付き、細くなるだけ細くなった状態まで足を整えることができればオーダーする準備が整ったということになるのかなと思います。(そのときには、自分に合った靴選びができるようになっている時かもしれないという話でもありますが・・・)
私の靴のオーダー靴が完成しない一因としては、のんびりやっているうちに私の足がドンドン変ってしまっているという問題が少なからず影響しています。
5月中に一度打ち合わせをして今後の方針を決めて行く予定です。
足が変化するということを考えても、靴選びに終わりはないなあとしみじみ感じます。
(5/14 補足)
○筋肉が少ないので足が柔らかいという特徴をあげましたが、ここの部分は人によって大分違うと思います。基本的に筋肉は増減しますので、鍛えれば増えて行きます。既に細幅の足を持っている人が筋肉をうまく増やすことができた場合、開帳足傾向の横アーチがきちんと機能するようになってきて、足幅(足囲)はむしろ細くなるという傾向があるそうです。
このような形で筋肉がある方がいらっしゃるので、超細幅=筋肉が少ないということには完全には当てはまりません。しかし、細幅と気がつく前にうまく筋力を育てることができた方は少ないのではないかと思いますので、あえてここで書かせていただきました。
残りの二つに比べて、筋力不足は改善がしやすいポイントでもあります。鍛えれば何才になっても筋肉は増えるはずなのですから。
あえて書きませんでしたが、筋肉がなかろうがあろうが、開帳足で空中サイズ、地上サイズの足囲が異なる方は、やはり柔らかい足ということで合いにくいことには変りありません。(超細幅足は開帳足になりやすい足でもあります)
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