そんなこんなで、私は昨年の春、いろんなところで靴を頼んだり、履いてみたり、買ってみたりしていました。(まさに靴ジプシー)
自分の足が人より細いと知ったとき(特にA幅以下)、今までと同じ靴探しではダメと知ったときに、考える一つの選択肢は「オーダー」だと思います。
あたり前ですが自分の足に合わせて一つ一つ作ってもらう訳ですからコストが高くかかります。
その価格はピンからキリまで一桁万円台〜二桁万円台の半ばまで幅広いものです。もしも、足に合わなかったら…、それはすごく悲しいです。
実際に、昔オーダーした靴が全く合わなかったという話を聞かせてくれたお友達は一人ではありません。そういう人は、もうオーダーなんか信じたくない気持ちでいっぱいになってるようです。
かくいう私も、友達が靴職人になったのにオーダーに踏み切れなかったのは、ちゃんと合う靴が作れるとはあまり思えなかったからです。
いろいろ話を聞くと オーダー靴の世界にも色々あるようです。
※医療用の靴についてはわからないので省かせていただきます。
[6回]
●イージーオーダータイプ(1) (木型調整無し)(価格:低)
メーカーの用意しているデザインから選択して作成する。
オーダー靴で用意してある木型のうち、一番近いサイズで作成する。左右差がある場合等は左右違うサイズで選ぶことができるので、メリットがある。また、試着できる場合もある。
どれだけの木型をメーカーが持っているかがポイントになるが、踵の小さな木型についてはあまりないらしい。既製靴に近いので、多くの人に合いやすいデザインを用意しているケースもあるが、デザイン重視の場合もある。
※さらに専用中敷で合わせるタイプもあるようです。
※ショショットはこのタイプです。左右差には対応していないようなのでより 既製靴に近い感覚。
●イージーオーダータイプ(2)(木型の調整あり)(価格:中)
メーカーの用意しているデザインから選択して作成する。
メーカーの持つ木型を多少調整して作成するタイプ。木型を多少調整する以外の特徴は(1)とほぼ同様。調整なのでイレギュラー度が高い足だと対応しきれないことが考えられる。
●フルオーダー(専用木型タイプ)(価格:高)
それぞれの人に合わせて木型から作成するタイプ。職人の技量及び方針によりデザイン・品質は左右される。
木型は完全にゼロから作成することができる職人は限られており、基本の木型を削ったり盛って作成することが多いらしい。踵サイズに対応できるケースがどこまであるかは未知数。
また、メーカーのタイプとしても、「デザイン重視タイプ」「コンフォート靴タイプ」「クラフト系タイプ」など様々あり考え方もいろいろです。
オーダーする前に、自分の作ろうとしている靴がどのような考え方に基づいて作成されるのか、自分の足の特徴に合わせてもらえるのかを知ることが失敗を減らす第一歩になります。
私が頼んでいるオーダーは、専用木型を作るタイプです。
何度か試着靴を作って自分専用の木型を完成させて、本番の靴を作成します。
専用木型を作る と聞いたとき、木型さえ一度作ればどんな靴でもどんとこいだ!と思いました。
しかし、それが全くの勘違いであることがわかり、かなりのショックでした。
木型は、ヒールの高さごとに作らなくてはいけないのです。
私が今回発注したのは6センチヒールのシンプルなパンプスです。これで3センチのパンプスを作ろうとしても作ることはできません。3センチなら3センチヒール用のパンプス木型。フラットシューズならフラットシューズ用のパンプス木型が必要なんです。
コレを知った時はかなりのショックでした。
さらに、パンプスの木型ではブーツは作れないので、ブーツ用の木型も必要です。
普段はいたことがない靴が履けるようになるならと思って1足目はパンプスを選んだのですが、木型調整には時間がかかりますし、靴が合っていることは健康的な生活の助けになると思いますので、沢山履く靴を作るのがいいと思います。一度木型ができれば、次からはだいぶ楽に靴が作れるようになるからです。
私のパンプスはまだ完成していませんが、完成したら次はブーツをお願いしたいと思っています。ブーツの木型はサンダル、ブーティなどに転用ができるらしいという噂を聞いたからです。(今度、職人に確認してみる予定です)
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